ミノーフィッシング

ミノーの醍醐味
トラウトフィッシングの中・上級者に人気があるのが、ミノーによる釣りです。
トラウトの主食になる小魚に似せたミノーは、スプーンと比べて表層を引く事がほとんどです。その為ミノーを追うトラウト達も目撃できて、ドキドキするような釣りが楽しめます。またミノーには大型トラウトがヒットする率が高い点も人気の理由です。

ミノー用のタックル

■ロッド: 6.6〜8ftスピニング。ミディアムライトアクション〜ミディアムアクション(負荷5〜14g前後)
ミノーイングには、出来れば専用のロッドが望ましいといえます。軽量なミノーを遠投するためにはある程度竿に長さが必要で、かつ大物の顎にしっかりとフッキングさせるパワーが必要。そしてそれと相反しますが口切れを起こさせないしなやかさも求められる為、専用設計のロッドの方が非常に有利なのです。
ただし、専用ロッドでなければ決してダメというわけではないので、スプーンによる釣りに物足りなさを感じてきたら、チャレンジしていただきたいと思います。

KAKIPRO76
プロショップマリン

上のロッドは、やまびこの常連さん達が使っているミノーイング専用ロッドで、特に芦ノ湖の大物鱒を獲る為のスペシャルアイテムとして人気が高いロッドです。
今年の特別解禁でも活躍しました。

■リール:小型または中型スピニングリール(シマノまたはダイワ製品で2500番〜4000番)

リールはスプーン用よりも、やや上級機種をお勧めしたいところです。
太目のラインを巻くのであれば、よりライントラブルをクリア出来る性能が求められ、また大物の引きに対してスムースに出るドラグが必要になるからです。
左のツインパワー3000は実売2万5千円前後。通常のトラウトフィッシングで十分使用に耐える性能を備えています。この価格帯より上は、5万円代に入りますから、ミノーイングの深みに入るまでは、これで十分かと思います。
シマノ ツインパワー3000
http://fishing.shimano.co.jp/

■ライン8〜12ポンド(2〜3号)
スプーン同様、柔らかめのナイロンラインが低温下でもトラブルが少ないと言えます。ただし大物がヒットする率が高いので、太目の強いラインを推奨します。
スプーンと違い、ほぼ表層を引く事がほとんどなので、ラインの水の抵抗は無視できる範囲というのも、太いラインを使用する理由です。
なお、装備の項目で紹介したボナンザ等のスプレーを使用をお勧めしています。

■ルアー 7cm〜13cm
ミノーはフローティングタイプかサスペンドタイプ。入門するには7cmから9cmくらいが使いやすいでしょう。
主にバスフィッシングをやっている方の最近の傾向として、トラウトにもサスペンドミノーを好んでを使う方が多いようですが、フローティングならではの軽やかなアクションも効果的ですので、積極的にフローティングタイプも使っていただきたいと思います。


お勧めのエリア
ミノーイングでは、機動力のあるエンジボートか、エレキ付きの手漕ぎボートに乗る事をお勧めします。
ボートの混みあっていない場所で釣る方が有利なので、空いている所を順々に回っていくほうが効率的だからです。
湖のどのエリアもターゲットとなりますが、初期の低水温期は大小を問わずワンド状になっているポイントに魚が付きやすい為、そのようなエリアがお勧めです。

ボートポジションとキャスティング
トラウトがバスと大きく違うのは、岸から沖合いまでヒットゾーンが広く、ロングキャストが非常に有利になる点です。というのも、近年、バスフィッシングしか知らない方が岸にボートを近づけすぎて釣れないパターンが目立っているからで、非常に損な釣り方をされていると思うからです。
トラウトはバスと比較して、岸から離れた場所を泳ぐ傾向にあります。バスで慣れている方は、魚がいる真上に船を停め、魚の少ない場所を引いている事が少なくないのです(ただしブラウントラウトは岸際でも良くヒットします)。
レインボートラウトは、ルアーを長い距離を追いかけて食いつく傾向があります。食おうか止めようか迷いながら追いかけていると言って良いでしょう。ショートキャストでは食いつく前にルアーがボート際まで寄ってきてしまい、魚も驚いて逃げてしまいます。出来るだけロングキャストを心がけ、ボートに接近する前に食わせるのがミノーで良い釣果を上げるコツです。

リトリーブ

ミノーイングでトラウトがヒットするのは、2つのシチュエーションがあるといえます。

1.表層にいるトラウトの目の前をミノーが通過し、反射的に食う場合。
2.中層(凡そ4m前後まで)にいるトラウトが表層まで上がってきて、ミノーを追いかけながら食いつく場合。

リトリーブ開始後、比較的早くヒットするのは1.の場合が多く、魚がまるで湧いてくるように表層に出てきてミノーを追いかけるのは2.の場合が多いといえます。
スプーン派の方には信用しない方もいますが、ミノーには中層にいるトラウトを表層まで誘い出す力があります。魚のいる層までルアーを送り込むのではなく、魚をルアーのある層まで誘い込む釣りといえ、その面白さと奥深さがミノーイングファンを引き付けてやまないと言って良いでしょう。 偏光グラス越しに、大物トラウトが水中から湧いて出てきてミノーを追いかけてる光景は、ハラハラドキドキの連続です。
魚を反射的に食わせるテクニック、魚を誘い出すテクニックなど、達人たちは様々なワザを持っていますが、それらの多くは、下記に記すメソッドを各々自分流にアレンジして使い分けています。

■グリグリメソッド
芦ノ湖では有名なメソッドです。ロッドワークは行わず、リールのハンドルを急激に半回転、または一回転させてストップし、また急激にハンドルを回す、を繰り返して魚を誘う方法です。
このメソッドでミノーはダッシュとストップを繰り返し、一瞬ボディが横向きになったりダートしたりと、イレギュラーなアクションを演じます。瞬間的にミノーのボディが光り、トラウトの本能を刺激します。
■ストップアンドゴー
ミノーに限らず、ルアーフィッシングの基本テクニックです。ただし止める間隔や引く間隔、スピードは多種多様で、幅広く奥深いテクニックです。自分なりのタイミングを見つける楽しさがあります。
■トィッチング
竿先を小刻みに動かしてリトリーブする方法です。このテクニックも幅が広く、大きめに竿先を動かしたり、ポーズを入れたりと多彩な演出を行えます。
■デッドスロー
何をやってもダメな時は、余計なアクションを付けず、ごくゆっくり引く方法が功を奏する場合があります。着水後、ミディアムスピードでダイブさせ、潜った後はミノーが最低限アクションする程度にゆっくり引きます。


ルアーローテーション
スプーン同様、ルアーローテーションも大事な要素です。
たとえば、トラウトがミノーを追いかけているのに、なかなか食いつかない場合、色やサイズを変更する事で連続ヒットにつながる場合があります。また、チェイスがない場合は、同じルアーでも多少潜るタイプに変えると、魚が表層まで沸いてくるパターンもあります。
例えば執筆者が好むAnre'sのフレッシュバックミノーは同サイズでフローティング・サスペンド・ミディアムディープとバリエーションがあり、各泳層を引いて魚の活性を上げるという使い方も可能です。

ポイントの見極め
トラウトは回遊性の魚のため、同じポイントを攻め続けて、次に魚が回ってくるのを待った方が良いという考え方があります。反面、スレて知恵の付いたトラウトはボートを避けて回遊を始めるという考え方もあり、実際の判断は難しいところです。
例として、やまびこの常連のお客様の多くは、ある程度攻めてヒットがない場合は「ポイントを休める」という風に頭を切り替え、次に大物が回りそうなポイントへ移動しています。

迷い
朝からミノーイングを続けていても、ヒットが全くない場合があります。特にまだあまりミノーで実績を上げていないような人は、ついついスプーンに手を出してしまい、その後はミノーでの釣りを止めてしまう場合も少なくありません。
実際にミノーよりもスプーンの方が釣れるのであれば、素直にスプーンを使う事をお勧めいたします。しかし、ミノーイングの面白さを知りたい、ミノーを上達したい、というのであれば、多少我慢してミノーを使い続けた方が良いでしょう。
やまびこの常連のお客様の多くは、ミノーの方が大物が釣れると言います。また大物を狙っていれば、小型の魚も数多く釣れてしまうと言います。釣りの方法に「絶対に正しい」という事はありませんが、彼らの言葉を信じてみるのも、損な事ではないと思います。

ミノー紹介

執筆者が個人的に気に入っているAnre'sのフレッシュバックミノー。トラウトだけでなく、バスやソルトにも効果的です。
カラーバリエーションが豊富で、また同一サイズで4種類の深度(フローティング・サスペンド・ミディアムフローティング・ミディアムサスペンド)が選べるのもグッドです。
芦ノ湖で欠かせないカラーとして、キンギョ(赤金)をタックルボックスに入れて置くのが良いでしょう。

●アングラーズリパブリック
http://www.palms.co.jp/anres


遠藤龍美氏のハンドメイドミノー。
リアルなフォルムとトラウトの習性を知り尽くしたアクション、ウッドボディの絶妙な比重は芦ノ湖のみならず、全国のミノーイングファンから熱狂的な支持を受けており、2007年の湖尻釣り大会では優勝魚を釣り上げています。
ハンドメイドで大量生産が出来ないため、一部ではプレミアが付くほどですが、プロショップマリン様で通販が可能です。

●遠藤アートクラフト

毎年、やまびこのお客様の間で60〜70cmのトラウトを連発させているKAKIPROミノー。 2002年の解禁釣り大会では上位独占の原動力となったルアーです。
スローフローティングボディで、重心移動システムはあえて採用しなかったこだわりのミノーです。

●プロショップマリン
http://www.kakipro.com


上のKAKIPROミノーのオリジナルウッド版で、2007年の特別解禁でお客様が大物を連発させました。

●プロショップマリン
http://www.kakipro.com



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