スプーンの利点
スプーンは金属板をプレスしたもので、遠投が利き、向かい風にも強いのが特徴です。
サイズや形状も豊富で、単価もミノー等のプラグより安いため、多くの種類を揃える事が可能です。
また浅場から深場まで、広い層を探れるのもスプーンならではの利点ですので、芦ノ湖でトラウトを初めて狙う方は、まずはスプーンから入門するのが良いでしょう。

スプーン用のタックル
■ロッド: 5.6〜6.6ftスピニング。ウルトラライト〜ミディアムライトアクション(負荷4〜12g前後)
バスフィッシングをされている方なら、バス用のスピニングの流用でも構いませんが、あまり極端なスローテーパーやファーストティップの物は、大物の引きに耐えられない場合があります。通常のミディアムテーパーが無難です。
また、最近流行のポンド型の管理釣り場用のマイクロスプーン用ロッドの場合、ロッドパワーに気をつけてください。

■リール:小型または中型スピニングリール(シマノまたはダイワ製品で2000番〜3000番)

リールも7万円以上する高級機から、5千円以下で買える入門機まで様々な物がありますが、ライントラブルを考えると、それなりの性能のあるリールが求められます。
左のシマノバイオマスター2500は実売1万2000円程度で、通常のトラウトフィッシングで最低限使用に耐える性能を備えています。この価格帯を基準に、余裕があればその上位機種を揃えるような感じで良いかと思います。
シマノ バイオマスター2500
http://fishing.shimano.co.jp/


■ライン6〜8ポンド(1.5〜2号)
柔らかめのナイロンラインが低温下でもトラブルが少ないと言えます。非常に細いフロロラインを使う方もいますが、大型の魚のヒットを考えた時に、不安な点は否めません。
個人的には10ポンド以上の太いラインを使用していますが、スプーンを沈める際にはラインの抵抗も無視できず、使いやすいのは8ポンド以下となるでしょう。
なお、装備の項目で紹介したボナンザ等のスプレーを使用するとライントラブル解消につながります。

■ルアー 4グラム〜14グラム
スプーンは幅広のもの、細身のもの、肉薄・肉厚など各種ありますが、細身の方が良く飛び、また浮き上がりにくいので、細身のタイプを多めに揃えるのが良いでしょう。
色は派手、中くらい、地味、金、銀などを各種揃えておくと、状況の変化に対応できます。
また、トラウトが底ベッタリにいる場合もありますので、7グラム〜14グラムぐらいのメタルジグも持っていれば攻略の幅が広がります。


お勧めのエリア
湖尻湾内や、キャンプ場前早川沖などは、放流されたトラウト達が岸際から沖合いまで頻繁に回遊しています。
このエリアは魚影も濃く、機動力の無い手漕ぎボートやエレキのみのボートの方でも手軽に行ける場所なので、初めての方にはお勧めです。
しかし 反面、ボートも非常に多く、常に混みあっている場所です。そういう場所では、魚も徐々に沈んでしまうため、スプーンによる釣りが有効となっていきます。


ボートポジション
トラウト類は湖を広く回遊しているため、極論すれば湖の真中でもヒットしますが、キャスティングで効率よく釣るのであれば、湖尻湾内キャンプ場前早川沖などの場合、岸から50m〜100mを目安にボートを留めます。頻繁に移動しない限りは、ボートに備え付けのアンカーを下ろした方が良いでしょう。

キャスティング
ボートが密集している所では、ロングキャストはオマツリの危険が伴います。しかし、そういう場所を除けば、ロングキャストした方が効率が良いといえます。
また表層を狙う場合は、風上に向かってキャストするのが基本です。

魚は習性として、自分の前方から来る物に興味を示します。
その為、常に魚の前方からルアーが来るようにキャストするのが良いといえるでしょう。
しかし、先に述べたように、ボートの密集地では魚も警戒して沈みがちになりますので、表層ばかり狙うのでは、効率が下がっていきます。

カウントダウン
魚が沈んでいった場合には、ルアーをその層近辺まで沈めるようにします。
通常ルアーをキャストし、ルアーが水面に着水後数秒待ってからリトリーブを始めますが、この着水後からリトリーブ開始までをカウントダウンと呼びます。このカウントダウンの長さによってルアーが通る水深が決まり、長く待てばその分深いところをルアーは通り、短く待てば浅いところを通ります。

何秒沈めた時にヒットしたかを記憶しておく事で、ヒット率の高い層を繰り返し引く事が出来ます。
また、ヒットのない場合はカウントダウンの秒数を増やしたり、減らしたりして層を変えて行きます。

アクション
リトリーブには、ストップ&ゴーや、竿先でのトゥィッチ、イレギュラーな早引き等のテクニックがありますが、解禁当初の本当に水温の低い時期は、ゆっくりとしたリトリーブの方がヒット率は高い傾向にあります。しかしながら、低水温でも元気なトラウトもいますから、各自トライ&エラーで独自のリトリーブ方法を探り出してみてください。

ルアーローテーション
何匹かヒットした後はヒットが遠のいて行くケースが少なくありません。ずっと同じルアーでは魚も目が慣れて行きますので、カウントダウンの秒数を変えるだけでなく、ルアーをチェンジする必要が出てきます。
基本は、目立つ物を最初に使い、徐々に地味目な物に替えて行く事。色で言えば、派手な物から地味な物、サイズで言えば、大きなものから小さなものへとチェンジしてみてください。ただし場合によってはその逆も効果的ですので、いろいろと試してみていただきたいと思います。

その他のコツ
自分が釣れていないのに、周りの船が釣れ続けている場合もあります。この場合、釣れている人のルアーや引き方を参考にするのも良いでしょう。ルアーの色やサイズ、またカウントダウンや引き方などを見て、同じようにしてみるのも良い手です。
ただ、トラウトは回遊性の魚ですので、遠くの船から順々にヒットするようになって、順次自分にもヒットするようになるケースも少なくありません。周りを良く見て、ヒットが魚の回遊のせいなのか、自分のルアーや引き方に問題があるのかを良く見極める事も大切です。

最後のボウズ逃れ
初めて芦ノ湖を訪れた方の中には、トラウトの習性がわからず、芳しくない釣果で帰られる方もいらっしゃいます。 もしもそんな危機に陥りそうになった場合の非常手段として、表層トローリングをご紹介いたします。
まず、ルアーは小指の爪くらいの極小スプーンを使用します(糸ヨレ対策にスナップスイベルを介してルアーをセットする事を忘れずに)。

1.まず、岸からかなり遠く離れたところまでボートを移動させます。
2.軽くルアーをキャストし、そのままラインを放出した状態でボートを進めます。50mほどボートを進めたら、ラインの放出を止めます。
3.次にリールのドラグをかなり緩めにした状態で、トローリングの要領でボートを進めます。スピードは歩く程度の速さを基準にします。
4.ヒットは竿先が重くなるか、グングンというアタリが伝わって来ます。

注意点として、竿は手に持っているか、魚がヒットした時に落ちないような場所にセットする事です。
このメソッドはかなりの率でトラウトがヒットしますし、意外な大物がかかる場合もあります。手漕ぎの方でも出来る方法なので、通常で釣れない場合はお試しください。
ただし、混雑した場所では、引いているラインが他のボートのプロペラに巻き込まれる危険が高いので、あくまで空いている場所で行ってください。(過去に多くの方が、プロペラに巻かれて竿とリールを水没させてしまっています)



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